ポリュカステー
ポリュカステー(古希: Πολυκάστη, Polykastē)は、ギリシア神話の女性である。長音を省略してポリュカステとも表記される。主に、
- リュガイオスの娘
- ネストールの娘
が知られている。以下に説明する。
リュガイオスの娘
このポリュカステーは、アカルナーニアー地方の王リュガイオスの娘である。ストラボーンによると、スパルタから亡命してきたイーカリオスと結婚し[1]、アリュゼウス、レウカディオス、ペーネロペーの母となった[2]。
ネストールの娘
このポリュカステーは、ピュロスの王ネストールの娘で[3][4][5]、母親についてはクリュメノスの娘エウリュディケー[3]、あるいはクラティエウスの娘アナクシビアーと言われている[4][5]。
トロイア戦争で戦死したアンティロコスをはじめ、トラシュメーデース、ペイシストラトス、ストラティオス、エケプローン、ペルセウス、アレートス[3][4][5]、姉妹のペイシディケーと兄弟[4][5]。
ホメーロスの叙事詩『オデュッセイアー』によると、ネストールに会うためにピュロスを訪れたテーレマコスをもてなし、テーレマコスを入浴させた後、オリーブオイルをテーレマコスの肌に塗り、衣服を着せてやった[3]。後代の伝承によると、ポリュカステーはテーレマコスと結婚し、ペルセポリスの母になったという[6]。
脚注
- ^ ストラボーン、10巻2・24。
- ^ 『アルクメオーニス』断片(ストラボーン、10巻2・9による引用)。
- ^ a b c d 『オデュッセイアー』3巻。
- ^ a b c d ヘーシオドス断片33(オクシュリュンコス・パピュルス、2481 fr. 3)。
- ^ a b c d アポロドーロス、1巻9・9。
- ^ 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p.264b。
参考文献
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- 『オデュッセイア/アルゴナウティカ』松平千秋・岡道男訳、講談社(1982年)
- ストラボン『ギリシア・ローマ世界地誌』飯尾都人訳、龍溪書舎(1994年)
- 『ヘシオドス 全作品』中務哲郎訳、京都大学学術出版会(2013年)
- ホメロス『オデュッセイア(上)』松平千秋訳、岩波文庫(1994年)
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店(1960年)
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