プロトエーノール
プロトエーノール(古希: Προθοήνωρ, Prothoēnōr)は、ギリシア神話の人物である。アレーイリュコスと[1]テオブーレーの子[2]、あるいはイトーノスの子アルキリュコスの子で、アルケシラーオスと兄弟[3]。長母音を省略してプロトエノルとも表記される。
トロイア戦争では、ペーネレオース、レーイトス、アルケシラーオス、クロニオスとともにギリシア軍におけるボイオーティアの武将の1人で[4]、テスピアイの軍勢8隻を率いたともいわれる[2]。小アイアースがサトニオスを殺したとき、サトニオスを助けようとしたプーリュダマース(ポリュダマース)に殺された。大アイアースはプーリュダマースを討とうとして槍を投げると、外れてアンテーノールの子アルケロコスに当って殺した。[1]。
プロトエーノールは一説にヘクトールに討たれた[5]。
脚注
- ^ a b 『イーリアス』14巻。
- ^ a b ヒュギーヌス、97話。
- ^ シケリアのディオドロス、4巻67・7。
- ^ 『イーリアス』2巻494行-495行。
- ^ プリュギアのダレース、20。
参考文献
- ディオドロス『神代地誌』飯尾都人訳、龍溪書舎(1999年)
- 『ディクテュスとダーレスのトロイア戦争物語 トロイア叢書1』岡三郎訳、国文社(2001年)
- ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫(2005年)
- ホメロス『イリアス(上・下)』松平千秋訳、岩波文庫(1992年)