この項目では、ラテン文字 のUについて説明しています。アルメニア文字 のՍについては「Ս 」を、その他の用法については「U (曖昧さ回避)」をご覧ください。
U は、ラテン文字 (アルファベット )の 21 番目の文字。小文字は u 。V , W , Y とともにギリシャ文字 のΥ (ウプシロン)に由来し、キリル文字 のУ に相当する。Υ (ウプシロン)の別形に由来するF とも同系といえる。元来のラテン語 字母 には存在しない文字であり、中世 になって、それまで/u/ と/w/ の両方を表していたVから、/u/ を表すために分離した文字である(V#歴史 参照)。
字形 筆記体 ジュッターリーン体 Vの下部を丸めた形であり、下半円の両端から上にまっすぐ直線をのばした形である。小文字や大文字の筆記体では、右の直線を下にも延ばして、ベースライン に達する。その手前で右に曲がることがある。フラクトゥール は U u {\displaystyle {\mathfrak {U\ u}}} 。フラクトゥールの筆記体では、小文字の下部をとがらせるため、区別のためにŭのように上に下半円を書く。
呼称
音素 この文字が表す音素は、おおむね円唇後舌狭母音 /u/ ないしその類似音である。しかしながら、稀に単独の子音を表す場合もある。
フランス語、オランダ語では唇を丸めてイと発音する音/y/ (円唇前舌狭母音 、ドイツ語のü とほぼ同じ)。フランス語は発音する母音の前ではその半母音/ɥ /(IPA ) = /H /(X-SAMPA )である。/u/ を表すには、フランス語はou , オランダ語はoe と表記する。フランス語の正書法に近づけた発音表記では、IPA の [y] をあらわすことがある。そのとき、IPA の [u] は /ɯ/ であらわされる。 フランス語・イタリア語・スペイン語では、[w] は/u/ の異音である。 英語では大母音推移 の結果、強勢(アクセント )が置かれる場合、長母音では「ユー」、短母音では鋭い「ア」(やや前進した非円唇後舌広半母音 )となる。ただし後者は、読みにくさをさけるためにo と書かれるようになったものがある。唇音 の直後では円唇後舌広め狭母音 で読まれることが多い。また、まれに「イ」と読まれる。語末には出現しない。 日本語 のローマ字 表記では、訓令式 、ヘボン式 共にウ段 の母音に使われる。 朝鮮語 のローマ字表記の文化観光部2000年式 では、母音ㅜ を示す。また、ㅡ 、ㅠ 、ㅢ もeu ,yu ,u iとuを含む綴りとなる。但し、人名や企業名等ではこの表記法に従わずㅓ 、ㅕ をu,yuで表していることもある。(例:삼성 →Samsung) 中国語 の漢語拼音 では、介音 /u/ を含む韻母の表記に使われる。ただし、声母(頭子音)が付かない場合は、wになる。「五」「烏」など主母音、尾音無しで介音 /u/ のみの場合、発音は /u/ であり、半母音 /w/ が発音されるわけではないが、wu と表記する。そのためuで始まることは無い。 ドイツ語 ではq の後ろのuがw と同じ [v] (有声唇歯摩擦音 )を表す。
U の意味
大文字
小文字 10−6 倍のSI接頭語 μ(マイクロ )の代用字。 ジム・ブロワーズによる非SI接頭語 ウント (unto )。10−36 。 冪単根基 (unipotent radical ) 。 u = 1 3 {\displaystyle u={\sqrt[{3}]{1}}} など。 北海道旅客鉄道 のuシート 専用車両の副記号 統一原子質量単位 (unified atomic mass unit )。質量の単位。
通用
符号位置 大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考 U U+0055
1-3-53
U
U
u U+0075
1-3-85
u
u
U U+FF35
1-3-53
U
U
u U+FF55
1-3-85
u
u
全角 Ⓤ U+24CA
‐
Ⓤ
Ⓤ
ⓤ U+24E4
1-12-53
ⓤ
ⓤ
丸囲み 🄤 U+1F124
‐
🄤
🄤
⒰ U+24B0
‐
⒰
⒰
括弧付き 𝐔 U+1D414
‐
𝐔
𝐔
𝐮 U+1D42E
‐
𝐮
𝐮
太字
他の表現法
ダイアクリティカルマーク付き文字
カテゴリ