パラサイクリング
パラサイクリング(Para-cycling)は、障害者のための自転車競技で、障がい者スポーツのひとつである。使用する自転車によって4つのクラスに分けられ、屋外のコースを走るロードレースと専用の屋内走路を走るトラックレースの2種目がある[1]。UCI(国際自転車競技連合)が競技ルールを管轄し、世界選手権・ワールドカップなどの国際大会が実施されている[2]。1984年からパラリンピックの正式種目として採用されている[1]。
歴史
パラサイクリングは1980年代に始まったとされた。[3]。1984年ニューヨーク・ストークマンデビルパラリンピックではロードレースのみが実施され、1996年アトランタパラリンピックからはトラックレースが採用された[3]。
クラス
障害の種類に合わせた自転車を使用し、4つのクラスに分類される[1] 。Bクラスの二人乗り用タンデム自転車には、後ろに視覚障害の選手(ストーカー)が乗り、前に晴眼者のパイロットが同乗する[1]。
クラス | 使用自転車 | 種目 | 障害の種類 |
---|---|---|---|
Cクラス | 通常の二輪自転車 | ロード・トラック | 四肢障害 |
Bクラス | 二人乗り用タンデム自転車 | ロード・トラック | 視覚障害 |
Tクラス | トライシクル(三輪自転車) | ロード | 重度の四肢障害 |
Hクラス | ハンドバイク | ロード | 下半身不随など |
さらにそれぞれのクラス内で、障害の程度によるクラス分けがなされている。
- H1クラス:C6以上の四肢麻痺など。
- H2クラス(英語版):上肢にC7からT3の軽度の障がいをともなう四肢麻痺者。
- H3クラス(英語版): T4からT10の対麻痺者。
- H4クラス(英語版):T11以下の対麻痺者と、ひざまずくのが困難な切断者。
- H5クラス(英語版):対麻痺者と切断者が対象。ハンドサイクルでひざまずける選手。
種目
パラサイクリングには以下の種目がある[2] [4]。
ロード
- 個人ロードレース(男子・女子)
- 個人タイムトライアル(男子・女子)
- チームリレー(ハンドサイクルリレー)(男女混合)
トラック
- タンデムスプリント(男子・女子)
- チームスプリント(チームリレー)(男女混合)
- タイムトライアル(男子・女子)500mまたは1000m
- 個人追い抜き(インディビジュアルパシュート)(男子・女子)4000mまたは3000m
- スクラッチレース
主要な大会
国際大会
- UCIパラサイクリング・トラック世界選手権(UCI Para-cycling Track World Championships (英語版) )
- UCIパラサイクリング・ロード世界選手権 (UCI Para-cycling Road World Championships (英語版) )
- UCIパラサイクリング・ロード・ワールドカップ(UCI Para-cycling Road World Cup)
- パラリンピック
国内大会
- 日本パラサイクリング選手権 ロード大会
- 全日本自転車競技選手権大会 トラック・レース (パラサイクリング)
脚注
- ^ a b c d “かんたん!自転車ガイド”. 日本障害者スポーツ協会. 2021年6月11日閲覧。
- ^ a b “Para-cycling – About”. Uci.ch. 2021年6月12日閲覧。
- ^ a b “U.S. Para Cycling”. United States Olympic & Paralympic Committee. 2021年6月12日閲覧。
- ^ “パラサイクリングとは”. 日本パラサイクリング連盟. 2021年6月11日閲覧。
関連項目
参考文献
- PARA CYCLING 競技規則. 日本自転車連盟.2021年6月12日閲覧。
外部リンク
- 日本パラサイクリング連盟
- Union Cycliste Internationale (国際自転車競技連合)